介護の問題を解決!介護保険のお話 ~在宅サービス編①~

今回は、介護が必要となってしまったが「施設には入らずに自宅で生活をしたい」「できる限り家族と一緒に生活をしたい」など、介護サービスを受けながら自宅で生活をしようとしている方にお伝えできればと思います。

できる限り分かりやすく、難しい言葉は使わないようにしますので、皆様のご参考になれば幸いです。

目次

訪問サービス

訪問サービスは自宅に介護事業所の職員が訪問して、必要なサービスを受けられるサービスです。複数のサービスがありますので順次説明をしていきます。

※下記のサービス記載は要介護1~5の方々が受けられるサービスになります。要支援の方は最下段に説明しておりますので、参考にしてください。

訪問介護(ホームヘルパー)

自宅にホームヘルパーが訪問し、自宅で生活をするのに必要なサービスを受けられます。

身体介護サービス

身体に触れる介護が必要な時に受けられるサービスです。

  • 食事の介助
  • 入浴や清拭、排泄の介助
  • 移動や移乗(例:車椅子からベッドに移る)、通院の付添や介助
  • 衣服の着脱、就寝・起床の介助など

入浴の介助は、自宅のお風呂を使って入ることができます。

生活支援サービス ※ご本人や家族ができない状況の時に受けられる

直接身体に触れることはありませんが、生活に必要な環境を整える必要がある時に受けられるサービスです。

  • 掃除や洗濯の介助
  • 買い物・食事準備や調理の介助
  • 薬の受け取り
  • シーツ交換など

家事全般はお任せください。でも、できない事もあるんです。

※訪問介護(ホームヘルパー)で出来ない事
  • 散歩や趣味のための外出介助
  • 同居する家族の援助となる洗濯、調理、買い物、掃除など
  • おせち料理の調理など特別な手間をかけて行う調理
  • 大掃除、窓のガラス拭き、家具の移動や修繕など
  • 草むしりや花木の水やり
  • 犬の散歩などペットの世話
  • 車の洗車や清掃
  • 来客にお茶を出す、食事の手配をするなど

介護保険ではできないけど、「介護保険外のサービス」で実施できる事業所もあるよ。

初めてヘルパーさんを利用する時は「何が出来て、何が出来ない」のか分からないと思いますので、困った時は直接ヘルパーさんに聞くか、ケアマネジャーさんに確認すると良いでしょう。

訪問看護

自宅に看護師さんが訪問して、看護ケアなどを受けられるサービスです。

  • 病状等の観察(主治医との連携)
  • 療養の指導
  • 食事の介助
  • 排泄の介助
  • 移動、移乗の介助
  • 入浴の介助
  • 緊急時の訪問対応
  • 医療処置の実施(点滴や経管栄養処置、喀痰吸引など)

何かあった時に自宅に看護師さんが来てくれるのはとても安心だね。

訪問看護ステーションから看護師さんが訪問いたしますが、事業所の体制が充実しているところは24時間連絡が取れる体制を整えております。「自宅で転倒して起きられない」や「呼吸の状態がいつもと違う」などの時にも連絡をすると指示や対応をしてくれます。

訪問リハビリテーション

自宅にリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が訪問をして、必要なリハビリを実施することができます。

まずはリハビリ専門職を資格ごとに見ていきましょう。

理学療法士(PT:フィジカルセラピスト)

理学療法士及び作業療法士法に基づく国家資格です。医師の指示のもと理学療法を行うことができます。

※理学療法とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいいます。

筋力が低下している方に対して筋力訓練を行ったり、麻痺のある方にマッサージやストレッチをして動きが良くなる訓練(関節可動域訓練)を行ったりします。※これらが全てではありません。

作業療法士(OT:オキュペイショナルセラピスト)

理学療法士及び作業療法士法に基づく国家資格です。医師の指示のもと作業療法を行うことができます。

※作業療法とは、日常生活を営むのに必要な様々動作を獲得するための訓練を行います。例えば、トイレに座る・自宅のお風呂に入るための動作の練習、調理をするための訓練(包丁の使い方など一連の調理方法を含む)や、福祉用具の選定や使い方の練習などが挙げられます。現在の心身状況に合わせた動作の獲得をするイメージです。

日常で何気なく行っていた動作ができなくなるのはとても大変な事。今の心身状況に合わせて練習を行っていきます。

言語聴覚士(ST:スピーチセラピスト)

言語聴覚士法に基づく国家資格です。音声、言語、聴覚などに障害のある方に対して、必要な訓練を行うことができます。

※言語聴覚療法とは、ことばの障害、きこえの障害、声や発音の障害、食べる機能の障害に対して、テテストや検査のあと評価をして必要に応じて訓練、指導、助言その他の援助を行います。

脳の病気で発語や飲み込みが悪くなってきた人に対して、発声練習をしたり、喉つまりをしないように訓練をしたり、食べやすい食材を教えてくれたりします。健康を保つためには、食べ物をきちんと噛んで食べる事が大切。

訪問リハビリサービスは利用者とセラピストの1対1で実施できますし、日常生活動作に合わせたリハビリを出来る事が良い点です。利用するためには主治医等の指示が必要になります。普段の病院受診時に先生に相談してみるのも一つだと思います。

訪問入浴

看護師や介護職員が訪問入浴車で自宅を訪問し、自宅の居室で入浴ができるサービスです。自宅のお風呂に入ることができない方、寝たきりや医療処置がありデイサービス等に行くことが難しい方などが利用できます。

入浴前後に同行する看護職員が血圧・体温などの体調確認を行います。

定期的に専門的な視点で体調確認できることも良い点です。

利用する前に自宅の状況を確認し、浴槽が入るか、お湯はどこから引っ張ってくるかなど見てくれます。

居宅療養管理指導

病院、診療所、薬局などの医師、歯科医師、薬剤師、看護職員などが自宅を訪問して、療養上の管理や指導を行うサービスです。

  • 介護方法の指導、助言
  • 薬の服用指導、薬のチェック、効能の確認
  • 栄養指導、助言
  • 口腔内の清掃、入れ歯の手入れなど

薬局の薬剤師さんが自宅に訪問してくれて、お薬のチェックや体調の確認を行ってくれているイメージが多いかもしれません。利用されている方は、定期的に専門的な相談を受けられるということで安心感があるようです。

まとめ

だんだんと体が動かしにくくなってきたけど自宅で生活を続けたい

親の物忘れが出てきて将来が一人暮らしは心配

病院から退院できたけど前より体の動きが悪くなってきた

といった心配や不安がある方のために在宅介護サービスはあります。

心配事や不安に感じることは人それぞれ違うと思います。

今心配に思っていることを、最寄りの地域包括支援センターやケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカーなどに相談をすると相談に乗ってくれます。

病院受診の時に主治医の先生に相談するのも一つからもしれません。

今までの説明は要介護1~5の方の説明ですよね。

私の祖母は要支援1の認定を受けているみたいなんだけど、、、。

※要支援1~2・事業対象者と判定された方々は下記のサービスが受けられます。

介護予防訪問介護・訪問型独自サービス

介護予防通所介護・通所型独自サービス

訪問型独自サービス通所型独自サービスとは、介護保険に定められている総合事業の一環で介護予防・生活支援事業に含まれます。総合事業とは市町村が地域の実情に応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等の方に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すものです。

介護予防訪問看護

介護予防訪問入浴

介護予防訪問リハビリテーション

介護予防居宅療養管理指導

サービス内容については先に説明した内容と大きく変わりはありません。

詳細については、ケアマネジャーなどお話してみてください。

~在宅サービス編②へ続く~

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